「北欧ショート」チケット当選者

ブリリア ショート ショート シアター様よりご提供いただいた、「北欧ショート」の招待券は、中島さんと池田さんご夫妻が当選されました。おめでとうございます。

 

なお、新春懇談会の模様は、別記事でご報告いたします。


池田様より

 「北欧ショート」でありますが、スウェーデンが3作品、デンマークとノルウェーが各1作品、計5作品が上映されておりましたが、何れも10分前後の短編ものでした。然し乍ら、何れもささやかな味わいのある作品で、鑑賞に値するものでした。

 中でも最後に上映されたスウェーデンの「ある晴れた日」は、私とほぼ同年齢と思われる二人の男性の孤独な人生の一齣を描いたものであるだけに、身につまされる思いが、強く印象に残りました。スウェーデンの如く社会福祉が充実しているような国家でも、人生の晩年に体験するであろう寂寥感は共通するものとの思いを強く深めました。

 若し私が若かりせば、同じくスウェーデン映画の「線路に唄えば」に共感を覚えたであろうし、又デンマークの作品「踏切と車、四人の男」は、現実と不現実が交叉した、夢の中のような面白い小作品でありました。

 

*文章は池田様の許可をいただき、抜粋の上掲載させていただきました。


北欧文化協会 北川より

 私も「北欧ショート」を拝見しました。

 まず、冒頭のスウェーデン作品「アパートの一室、6人のドラマー」で、軽妙かつ軽快に幕が開きました。アパートに忍び込んだ怪しげな6人の若者たちが、驚いたことにドラムをたたき始めるお話です。特に、音楽をやっている方にお勧めしたいですが、私のような聞く側の人間でも、思わずリズムを刻んでしまいます。

 「パパ」は、ハードボイルドな始まりとは裏腹に、目頭が熱くなるドラマを簡潔かつ叙事的に描いています。私はかつてニューヨークを訪れた際、マンハッタン対岸のニューアークで、夕方にローカルバスに乗ったことがあります。市街地を大きく離れたバスは、地平線まで続くかと思われる、大型コンテナとトレーラーが並ぶ港湾地帯を1時間以上も巡りました。仕事を終えた労働者が多数乗り込んで来て、その労働者が「パパ」と見分けがつかないほど似ていたことを思い出します。繁栄の裏側の現実に、文字通り言葉を失いました。

 このような個人的記憶と結びついて、この作品は目が離せません。当然、幸福とは言えない結末を迎えるのですが、最後に父親が示す意外な愛情で、親子の絆が様々な形をとり得ることに思い至り、深く感動しました。

 残りの三作品の解説は、池田様にお譲りいたします。

 ショート・ムービーでは、長編とは違って、短い時間にあっという驚きが隠されています。1時間の上映時間は、瞬く間に過ぎ去ってしまいました。また、池田様と私の興味の対象が異なったように、いろいろな方と感想を語り合うのも楽しみの一つでしょう。

 このような機会を与えていただいた、ブリリア ショート ショート シアター様に感謝申し上げます。


場所が分からないという声があったので…