4月4日(水)に駐日欧州連合代表部で開催された、映画上映会「欧州と日本におけるマイノリティー」に参加してきました。この上映会は、リンガパックス・アジアと駐日欧州連合代表部主催によるものです。
リンガパックスは、言語の多様性についての啓蒙活動を推進しています。今回初めての取り組みとして、欧州連合代表部との共催で、言語マイノリティーに関する映画の上映会を開催しました。
その輝かしい初回に、フィンランド映画が選ばれたのです。
上映作品は次の二つです(YouTubeにありましたので、末尾でご紹介します)。
- 『果てしなき道』から、「プロローグ」および「バルサザールの犬」(フィンランド・チェコ/2002-2003年)
- サーミランドにやって来たフィンランド人(フィンランド/2010年)
映画研究家のエイヤ・ニスカネン氏(ヘルシンキ大学)が、作品の解説をして下さいました。
『果てしなき道』は、ロマを扱った人形アニメです。
「プロローグ」は、ロマの起源を説明しています。
「バルサザールの犬」は、スペイン統治下のオランダのお話しで、都市の統治者バルサザールがロマを迫害するものの、その飼い犬はロマを助けて、ロマとともに旅立ってゆくというお話しです。
もう一つの作品は、第二次大戦後のフィンランド北部(ラップランド)を舞台にした、サーミ人の「フィンランド化」を扱ったドキュメンタリーです。
サーミ人とラップランド生まれのフィンランド人が登場し、当事者として当時を語るだけでなく、彼らのその後の人生と、サーミ語が公認されるに至った現代フィンランドの姿を描いています。
言語の多様性が尊重されなかった時代と、その重要性が意識されるようになった現代の両方の対比から、私を含む上映会参加者に深い感銘を与えてくれました。
さて、上映会終了後には、スナックと飲み物が振る舞われました。
せっかくの機会なので、上映会について少しお話をお伺いしてみました。
まず、初回にフィンランドを選んだのは、ちょうどエイヤ・ニスカネン氏が日本に滞在されており、上映に向けた関係者との調整を行って下さったことが大きいとのことでした。
そして、次回以降の予定については、アイヌや琉球そしてアイルランドなどを考えているとのことでした。まだ決まっていないそうですが、楽しみですね。
ボランティアのスタッフを含む関係者の皆さま、お疲れ様でした。
そして、今後も楽しみにしておりますので、是非継続的に開催して下さい。
『果てしなき道』から、「プロローグ」および「バルサザールの犬」(英語)
サーミランドにやって来たフィンランド人(フィンランド語)
【注意】上映された映画と内容は異なりますが、同じ映像を含んでいるためご紹介します。映画は54分ありましたが、YouTubeの映像は10分弱です。
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